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冬の車中泊の対策と必須アイテム!凍死しないための防寒対策グッズ

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最近の冬は厳しい寒さも多く、突然の大雪や路面凍結での立ち往生で身動きが取れなくなってしまい、やむを得ず車中泊になってしまうこともあります。

極寒での外気温はマイナス10度以下になることもざらで、エンジンをかけてヒーターを付けていないとあっという間に車内の温度が下がってしまい命に関わる事態になります。

今日は冬に車中泊をせざるを得ない状況になった時、どのように振舞えばよいか、また、どんなものを常備していればいいかを紹介します。

冬の車中泊で起こる深刻な車内温度低下について

JAFが公開している情報で、冬の長野県の高原で様々な条件で車中泊を行い車内温度低下と人がどこまで耐えられるかを実験したものがあります。

テスト内容は以下の通りです。

実験概要

2014年2月4日(火)午後11時~5日(水)午前7時までの 8 時間、エンジンを止めた状態で対策の異なる 20 代~30 代の4名のモニターが車両(ミニバン)2 台に分乗し、寒さをしのげるのかを検証した。

モニターには○、×の札を渡し、30 分ごとに継続の意思確認を行った。

なお、テスト開始直前までエンジンをかけてエアコンを使用し車内温度を25℃に設定した。

1号車に「対策なし」と「毛布+使い捨てカイロ」の2人が乗車。2 号車に「寝袋(冬山用)」の人と「エマージェンシーシート」の人が乗車。

服装による差が出ないように上は同じダウンジャケット、下はジーンズで統一した。

※テストは安全に十分配慮して実施した。
 

テスト結果とコメント

「対策なし」は、テスト開始から 2 時間 45 分後にギブアップ。(外気温:-11.1℃、車内温度:1.8℃)。

被験者のコメントは「エンジンを切って30分くらいでかなり寒くなり始めました。だんだん足先の感覚がなくなってきました。」とのことです。
 
 
「エマージェンシーシート」は、テスト開始から 5 時間 27 分後にギブアップ。(外気温:-12℃、車内温度:-3.9℃)。

被験者のコメントは「初めは暖かかったのですが、シートがかかっていない顔や足先が冷えました。

また、最初にかいた汗も冷えてきました。」とのことでした。

エマージェンシーシートでは、十分な暖かさは得られなかった。通気性がないぶん、汗をかいて冷えにつながった。と考察されています。
 
 
「毛布+使い捨てカイロ」と「寝袋」は、テスト開始から8時間経過し、寒さに耐えることができ無事終了。(外気温:-12.9℃、車内温度:-7℃)。

寝袋の被験者は「最初は軽く朝まで行けるかと思っていましたが、朝方になって結構寒さを感じてきつかったです。冬の車中泊はできないかなと思いました。」とコメントし、

毛布+使い捨てカイロの被験者は「カイロがあったから朝まで過ごせた感じです。午前1時ごろからすごく冷えてきたように感じて、特に足と鼻がきつかったです。」とコメントしていました。

温度の推移はこちらの図をご覧ください。

JAFの冬の温度変化テスト画像
 
テスト開始時の外気温は-10.2℃、最低気温は翌朝6時40分ごろで-13.2℃、テスト終了時の翌朝7時には-12.9℃となっています。
 

明け方が一番気温が低いというのが恐ろしいですね。これは放射冷却によるもので、夜間ずっと地面から熱が逃げていくので明け方に寒さのピークが訪れます
 
最終的には車内の温度も-7度になっており、平地の外気温と同じくらいになっているのでしっかり防寒対策をしないと凍死してしまいます。

今回は寝袋と毛布+カイロの被験者は耐えることができましたが、実験ではなく実際のドライブ中に起こったらパニックになってしまい適切な行動や意識を保てないかもしれません。

日ごろからもしもの事態に備えて、車中泊をする時に必要な知識や道具は揃えておきましょう。

冬の凍死は夏の熱中症による死者数よりも多い事実

2017年に熱中症で亡くなった人は635人に対し、凍死で亡くなった人は1371人と根中小の2倍以上となっております
 
体力の少ない高齢者や体の小さいお子様などは、そんなに低くない気温でも凍死に至ることもあります。凍死は低体温症によって生命維持に必要な機能が停止してしまい起こるものです。
 
凍死に至るまでには第1期~第4期の4段階あり、第3期まで行くと蘇生が困難になります。

大まかな体温と症状の目安は

  • 第1期36~34℃で猛烈に寒く、震えが止まらない状態になる。食欲は減退する。
  • 第2期34~27℃。脈拍や呼吸が弱まり、血圧下降。皮膚が暗紫色になる。身体が硬直し、筋肉の痙攣が起こる。意識や感覚も低下する。猛烈な睡魔に襲われてあくびを連発する。幻想、幻覚を見、時に興奮状態になって暴れたり、衣服を脱いだりする。
  • 第3期27~22℃で筋肉が弛緩し始め、尿や便が体内にあれば失禁する。意識がなくなり、仮死状態になる。
  • 第4期20~18℃。死亡。

第2期では錯乱状態に陥るので、たとえば登山でのリーダーが熟練者といえども錯乱状態に陥ってしまえばパーティの崩壊が起き遭難して惨事を引き起こす例もあります。
 
キャリアがあるといって頼りすぎないよう低体温症の症状が見られた際は「会話が上手く出来なくなった」などの初期の段階で対策を打てることが大事になってきます。

とにかく体温低下を防ぐことが大事になってきます。意識があり暖かい飲み物を飲めるようであれば、白湯などを飲んで暖をとりましょう。

 
ただし、目が醒めるようにとコーヒーやお茶の類いを与えると、カフェインによる利尿作用で脱水症状を起こすので避けましょう。
 
アルコールを飲んで温まるのがいいという俗説は間違いですのでやめましょう。

一時的にアルコール類は体は火照りますが、血管を広げて熱放射を増やし、さらには間脳の体温調節中枢を麻痺させて震えや代謝亢進などによる体温維持のための反応が起こりにくくなるため、低体温症の危険がある場合絶対飲んではいけません。
 
リラックスさせようとしてタバコ吸うのも危険です。末梢血管が収縮して凍傷を起こす危険があります。

眠ると代謝や震えによる熱生産が低下するので、十分に温まるまでは覚醒状態を維持させることが大事です。
 
第1期の段階では少々手荒に扱っても予後はいいので、出来るだけこの段階で対処して状態を維持できるようにしましょう。
 

冬の車中泊で絶対にやってはいけない事

冬の車中泊で怖いのは低体温症による凍死だけではありません。

車内を温かくするためにエンジンをつけっぱなしにして睡眠をとることは大変危険ですので絶対にやめましょう。

 
エンジンをかけたままにするとマフラーから排ガスが出続けます。

大雪などで立ち往生してしまった場合、雪が積もりマフラーの排気管を塞いでしまうことがあります。

そうなると、一酸化窒素など有毒なガスを含む排ガスが車内に逆流してしまい中毒を起こし最悪死に至ってしまいます。
 

同様に、車内で暖を取るために練炭や石油ストーブは使わないでください。BBQ用や宿泊先で使う設備などで車載していても有毒なガスが車内に充満してしまいます。
 
また、同乗者がいて交代で仮眠をとりマフラーつまりを防げる場合でも、なるべくエンジンをかけ続けるのは避けたほうが良いと言えます。
 
エアコンはオフでエンジンをかけたままでいる1分間におよそ13㏄程消費します。

1時間に変換すると780㏄です。1晩8時間と計算すると6240㏄消費することになります。
 
排気量や車種によって前後しますが、エアコンをオンにしてアイドリングしていた場合かなり消費することが分かります。
 

救助が来たり、立ち往生が解除されて動けるようになったとしてもガソリンがなくなってしまい二進も三進もいかなくなってしまうこともあります。
 
また、アイドリングの騒音は周辺住民や周りの車中泊の人に迷惑になる場合があります。周りの人が少しでも心穏やかに過ごせるように配慮することも大事です。

そして、車中泊は同じ姿勢で長時間過ごすようになります。血管の中に血栓ができてしまいふとした拍子に動いた血栓が詰まってしまいエコノミー症候群を起こすこともあります
 
足のむくみなどが起こる前に、足の指をぐーぱーしたり、かかとの上げ下ろしをしたり足を伸ばしたり、足の体操を行いましょう。
 
 

冬の車中泊に必要な防寒グッズ

上記のように冬の車中泊はかなり厳しい環境で過ごさなければなりません。車内の温度を下げないようにする断熱グッズや、快適に体を温めるための道具が必要になりますね。

カーゴルームなどに必要なものを一式常備しておくと安心かと思います。使用期限があるものなどはローリングストック法で常に使える状態を保っておきましょう。
 

寝袋(シェラフ)

車中泊 防寒アイテム 寝袋

形状は素材によって断熱効果も全然異なります。

耐久温度も表示してありますので、緊急時に備えるなら収納にかさばるかもしれませんが、目安となる温度の高いものの方が良いかもしれませんね。

複数人入ることもできる四角い封筒型や、頭まですっぽり包み込んでくれるマミー型があり同乗するメンバーでも形を選んで購入しましょう。
 

ミニテント

車内でフルフラットにするなどで少し広くスペースをとれる車種でないと難しいかもしれませんが、高さ90㎝くらいの1人用ミニテントもおすすめです。

とにかく寒さをしのぐには空気の層を作ることが大事ですし、温める空間を省スペースにすることも大事です。
 
 
テントで車内に小さな空間を作れば寒さもしのぎやすくなりますし、窓に貼った断熱シートが半透明でカーテンなどがない場合、プライバシーの保護にも役立ちます

折り畳み式は本当に薄くコンパクトにしまえるので常備して置ても良いと思います。

毛布

保温グッズの定番。毛布です。色々なことにも使えますので、車中泊に備えるときは人数分+2~3枚くらい持っていると便利です。

寝袋に入って毛布を掛けたり、テントの外掛けにして断熱効果を高めたりもつかえますので持っていると安心ですね。
 
座面や床からの冷気を防ぐのにもアルミシート敷いた上に毛布を敷けば寝心地も良くなり暖かく横になれます。
 

電気毛布

モバイルバッテリーや蓄電器を持っていたりして、バッテリー上がりを気にせずに使える環境の場合、電熱ヒーターの入った電気毛布が大活躍します。めっちゃ暖かいです。
 
シガーソケットに差し込んで使えるタイプもあり様々な種類が販売されています。
 

また、家庭用のものもつかえますが、インバータの種類が適応していないと動かないことがありますので持ち込む際は注意してください

分からない場合はメーカーに問い合わせれば教えてもらえます。

断熱シート

車中泊 防寒アイテム アルミシート

アルミシートも断熱効果が高く必須アイテムと言えます。

キルティング加工されたもこもこのものや、窓にぴったりはまるものもあります。

窓に貼るタイプはエアパッキンなプチプチ素材もありますし、使いやすく断熱効果の高いものを選びましょう。
 
窓ガラスからの冷えは室温にかなり大きな影響を与えますので、フロントガラス、ドアガラス、リアガラスにはしっかり断熱シートを張って冷気が入り込むのを防ぎましょう

 
また、ステップからも冷気がやってきますので、座面や床一面に敷くことも大事です。
カイロ

車中泊 防寒アイテム カイロ

これは大量に持ち込みましょう。費用面でも優秀ですし、コンパクトで長時間丁度良い暖かさを維持してくれる最強アイテムです。
 
先に書いたJAFの実験でも大活躍でした。

カイロは薄く小さいため、体の太い血管の走る部分に当てるなど体温をダイレクトにあげる使い方ができるのでたくさん持っておきましょう。
 
低体温症で体温を上げなければいけない事態になった時、首筋、わきの下、鼠径部など太い血管が表面に来ている部分は結構多いのでカイロの枚数が必要になります。
 

ポータブルバッテリー・モバイルバッテリー

車中泊 防寒アイテム モバイルバッテリー

電力の波形に正弦波と矩形波があり、温度調節など電力の細かな調整が必要なものを使う場合、正弦波タイプのバッテリーを選ばなければなりません。

矩形波は価格が安いので手を出しやすいのですが、矩形波の蓄電器の場合、自分たちが使う機器のチェックは必要です。
 
 
モバイルバッテリーもスマホ何回フル充電できるかが表記されていることが多いのでそれを目安に購入しましょう。
 
携帯電話は外部との連絡手段や情報収集に必須です。

バッテリーがあるから好き放題つかえるぜーではなく、車のバッテリーを上げないことと、携帯電話用の電力は担保できるような使い方を心がけましょう。
 

防寒ウェア

ダウンジャケットなどのアウターウェアやヒートテックなどのインナーウェアを上手に着ることで、体感温度がうんと暖かくなります。

レイヤードを使いこなして動きやすく暖かく着こなしましょう。
 
 
降雪時外で活動することも考慮した代表的なスリーレイヤードは、
 
一番肌に近いとこ(ベースウェア)に保温吸汗効果の高いものを使い、

空気の層をつくり保温防寒に特化したミドルウェア

一番外側のアウターウェアは防水性があり、中でかいた汗がこもらないように通気性のあるものを着るスタイルです。
 
 
ベースウェアは最近ではコンプレッションウェアという吸汗して発熱するものも人気です。

逆に定番の綿素材のものは汗が乾きにくく気化熱で冷えやすいという特性があるため防寒という意味ではあまりお勧めできません。
 
 
ミドルウェアは動きやすさも大事ですが、たっぷり空気を含んだもの、というのも大事です。

動きやすさを重視する人はフリースや薄手のダウンジャケットなどがおすすめです。
 
 
アウターウェアはゴアテックスのような機能性の高いもので、撥水防水加工してあり雪や雨でぬれても中に浸み込まないことがとても重要です。

しかし、中で書いた汗がこもるのも良くないので通気性もあるものを選びましょう。
 
 
ただ重ね着するだけではなく、それぞれの特性を生かした重ね着することで厳しい寒さも耐えられるようになります。
 

厳冬期の車中泊のまとめ

不測の事態に巻き込まれて車中泊するような事態にならないことが一番良いのですが、2021年はすでに2件の大規模な冬の道路での立ち往生が発生しています。

気候もこれまでの常識が通用しないことも多くなってきましたので、長距離のお出かけをする時は車中泊をすることを想定した備えが必要です。
 
 
毛布や寝袋、断熱シート、カイロなどは冬の時期常備でもよいかと思います。

ポータブルバッテリーも冬だけでなくオールシーズンつかえるものなのでこの機会に購入しても良いかと思います。

また、車中泊するときは、燃料、バッテリーの残量に気を付けて暖をとりましょう。

暖を取るためと言ってエンジンかけっぱなしは一酸化炭素中毒で死の危険がありますので絶対にやめましょう。
 
 
エンジンかけっぱなしによる騒音も周囲の迷惑になりますので、持っている資源を使い上手に暖を取り夜明けを待ちます。
 
車中泊では同じ姿勢を長時間取るようになってしまうので、エコノミー症候群を防ぐためにも定期的なストレッチも忘れないようにしましょう。
 

体を動かすことはリフレッシュにも繋がりますので、積極的に行うといいですね。
一番大事なのは不測の事態にパニックにならないことです。

パニックになって慌てて行動すると事態を悪化させるので、大丈夫と自分を信じで出来ることをしっかりやりましょう。
 
 
最後までご覧いただきありがとうございました。
この記事が楽しいドライブの一助になることを願っております。

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